Frog Lover in Edo period- 松本奉時 ー 蛙をこよなく愛した江戸中期の絵師

ロゼッタストーンを持ってる蛙/ with Rosetta stone

ファラオバージョン/Egyptian King

近頃ロンドンでよく目にする松本奉時(ほうじ)作のこの蛙。大英博物館だけでなく、先日(2025年10月11~15日まで)行われていた大相撲ロンドン公演の会場ともなっていたロイヤル·アルバート·ホールでもオリジナルステッカーが販売されていました。

ロイヤルアルバートホール、力士バージョン/ Sumo wrestler


松本奉時 ー 蛙をこよなく愛した江戸中期の絵師

Hoji Matsumoto 〰️

松本奉時 ー 蛙をこよなく愛した江戸中期の絵師 Hoji Matsumoto 〰️

 

Room 92-94 大英博物館の日本ギャラリーを隈なく探してもこの蛙は見当たらない。。では何故大英博物館のギフトショップには所狭しと並んでいるのか?

Christmas ornament

北斎と同等の扱い/Just as popular as Hokusai

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Got these souvenirs - お買い上げ

 

世界屈指の浮世絵コレクションを有する大英博物館

イギリスでは1862年にロンドン万博が開かれた際、日本の絵画が話題となっていました。それもそのはず、1854年、ペリー来航の翌年にようやく200年以上続いた鎖国体制が崩壊したのだから。。ほぼ初めて見る日本アートに皆目が釘付けになったのは想像しやすいですね。大英博物館は北斎の浮世絵にいち早く目をつけ、何と最初に入手したのは1860年だそう。

このロンドン万博の5年後には今度はパリで万博が開かれ、ここでも日本のアートが大ブーム。ジャポニズムと呼ばれる日本趣味にまで発展し、モネやドガ、ゴッホも多大な影響を受けました。

北斎に始まった大英博物館の浮世絵収集。すぐにコレクターや研究者が登場し、追い風に乗ります。現在の博物館の浮世絵コレクションも複数のコレクターの譲渡によるもの。松本奉時のコレクションもこの時代に大英博物館に収蔵されたものと思われます。

 

名家画譜 Meika Gafu 1814

copyright@ British Museum 大英博物館サイトより転載

大英博物館収蔵の、1814年に発刊された様々なアーティストによる画集、「名家画譜」の中に松本奉時のこの蛙が登場します。何しろ、800万点以上のコレクションのうち、8万点ほどしか陳列もできず、常設ではないものの過去に展示もされています。

目を惹く愛嬌のあるこの蛙はお土産物コーナーでも結構な面積を陣取っており、大胆な構図や勢いのある筆使い、その表情など、現代人にとっても親しみ深い作品。

 

松本奉時ってどんな人?Who is Hoji Matsumoto?

松本奉時(不明-1800)は、大坂生まれ。本職は表具師だったが、その傍ら、絵師としても活躍していた人。

松尾芭蕉・小林一茶と並び、江戸時代の俳諧の三大巨匠として知られる与謝蕪村に画を学んで山水画法を習得しました。

彼は蛙をこよなく愛し、珍しい蛙の飼育や様々な蛙グッズまで集めていたとも言われるほどの蛙好き。彼の蛙の絵はとても評価が高かったようです。

最後までお付き合いいただき有り難うございました!

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